英語にまつわる短篇小説 時代の荒波 それは本当か? へい。間違いないっす。この耳でちゃんと聞きましたんで。 ついにこの業界にもグローバル化の波が押し寄せるのか。それで親父は具体的に何と言ってる。 へい。親分は「どうせオメーら、勉強なんか... 2020年11月3日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 謎の外出とわたしの推理 新しい年が始まってから、久美子は謎の外出が多くなった。 忙しそうに家事をこなし、そそくさと外出する久美子を見送りながら、わたしは少し胸騒ぎがしていた。 最初は何とも思わなかったが、近ごろどうもおかしい... 2020年10月15日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 空の上のモチベーション 「シートベルトの着用サインが消えましたが、飛行中は急に揺れることもございます。座席にお着きの方はシートベルトをお締め下さい」 羽田発、福岡行き。フライト時間1時間50分。 尚子はシートベルトをはずして... 2020年9月12日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 タイムパラドックス 上林郁夫は英語が出来なくて悩んでいる。 こんな事なら三年前、英会話スクールに体験レッスンに行った時に学習を始めておけば良かった。あの時スタートしていれば、今頃英語がペラペラだったはずなのだ。 当時は仕... 2020年8月20日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 いつかの約束 ロンドンのビクトリアステーション周辺はb&bを含め、多くのホテルが立ち並ぶ。その中の一つに、少し古めかしいが品格を感じさせる老舗の小さなホテルがある。 そこにキャメルのコートに身を包んだ一人の... 2020年7月5日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 Starting Over JR恵比寿駅東口を出てすぐの所に、いわゆるオシャレなイメージとはかけ離れた「恵比寿横丁」という昭和の雰囲気を感じさせる飲み屋街がある。新宿の小便横丁をほうふつさせる古めかしいその横丁は、実は創業が二〇... 2018年3月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 その男の名前 ニックネームをつけなければならない。 そもそもニックネームやあだ名は他人がつけるものであって、自分でつけるものではないと思っている。富田雅人は困っていた。 念願のニューヨークへの海外赴任が決まったのは... 2018年1月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 年の瀬の十人十色 宮川佐知子は師走の夕闇の迫る日比谷公園の前をコツコツと歩いていた。 普段は人や車が行き交う通りだが、日曜日の夕方であるためか閑散としていた。佐知子は紺のトレンチコートに赤いストールを首に巻き、中にはグ... 2017年11月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 遠足を10倍楽しむ方法 遠足に行くのは果たして何年ぶりだろうか。 小学生の頃は遠足というだけで心が踊り、前日は楽しみで眠れなかったという事を久しぶりに思い出した。「おやつは三百円まで」「バナナはおやつに入りますか?」などのや... 2017年5月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 研究成果 ― 2047年 恵比寿のとある研究所にて ― 博士!ついに完成しました! おおっ。片山くん。ついに出来たか! はい。これでもう人類に言葉の壁は無くなります。いやー、長年頑張って研究してきた甲斐がありま... 2017年1月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 クリスマスの夜に 年末感が息苦しい。 年の瀬になるといつも一年を振り返り、今年は少しは成長できたのか、などと自問自答をしてしまう。 街を歩くと、足早に家路を急ぐビジネスマン。待ち合わせらしくスマホで道を調べながら足早に... 2016年11月17日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 味わいと学び方 ビールの注ぎ方にはコツがある。 まず、注ぐグラス選びが大事である。炭酸を楽しむ為には細長いタイプのグラスが良い。保冷性を重視するなら金属のグラスが適しているが、ビールはやはり、あの色合いと泡を横からも... 2016年9月1日 Kaito